北アフリカのモロッコ、北部中央に位置するフェズは、モロッコ最古の町であり、城壁に囲まれたメディナの旧市街、フェズ・エル・バリは、世界でいちばん複雑な路地を持つ、中世さながらの迷宮都市です。 フェズの美しいブルーの幾何学模様で彫刻されたブージュルード門を一歩くぐれば、そこからはフェズ・エル・バリの1000年以上前の生活の営みの風景が広がっています。 狭い石畳の道の両サイドには、小さなお店(スーク)がぎっしりと並んでいて、しんちゅう細工や染色革の昔ながらの技をもつ職人達が、今もなお息づいている活気ある姿が見られ、近代化の進むのが当り前の現代に生活する私達にとって、忘れられていた大事な何かを気づかせてくれるようでもあります。
スーク街の並ぶ狭い道では、荷物をいっぱい積んだロバに出会うと、すれ違う大人も子供も大活躍のロバに道を譲ります。 ロバが行くのを待っていると、目のくるっと大きい男の子がお母さんと一緒に歩いていました。男の子は元気いっぱいですが、アラブの女性はどことなく控えめです。
果てしなく続く迷路の中で、方向感覚もわからなくなった私は、中世へタイムトリップした時間を楽しんでいました。
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