インドのチェンナイ(マドラス)の南にある、ベンガル湾の海岸近くに住むインド人ファミリーの家に滞在していました。
すぐそばの活気ある通りには、足踏みミシンのテーラー屋さんや、チャイやマドラスコーヒーの美味しいお店、雑貨屋さんなどがたくさん並んでいます。
一本、路地に入ると、そこで生活する人々のオープンな暮らしぶりがみえます。洗濯された鮮やかな色のサリーが何枚も乾してあったり、家の外にいてもテレビからインド映画サウンドなどが聞こえてくるのです。
近所の子供達も元気に遊んでいる小さな通りに入れるのは、リヤカーいっぱいに積んだココナツを、声を張り上げて売 りに来るおじさんくらい。そんな光景の中で、女の子を抱っこしてニコニコしている笑顔の素敵な女性に会いました。
彼女の名前はラーダ。 インド神話で、人気のあるクリシュナ神が愛した女性の名前です。
かわいい女の子は、ラーダの姪で1歳になるアンニャーニャ。 古代インドのサンスクリット語で、独特の、類のない、という意味があるそうで、私達は近所ということもあり、何度か見かけるうちにすっかり仲良くなりました。
常夏のチェンナイの3月は、日本の真夏のように暑い日々が続きます。庭の木からもいで絞ったばかりのフレッシュなライムジュースを、ラーダの家でご馳走になりました。その美味しさといったら格別で、思わず笑みがこぼれるくらい。神話の女神・ラーダも、きっと私達の嬉しい友情に、微笑んでくれることでしょう。 また、ラーダ達に会える日が楽しみです。
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